こんにちは ヨハニです。 ※本ページはプロモーションを含みます。
今回は日本文化を代表する『お茶』と『茶道』の始まりについて、ご紹介させていただきます。
1 『お茶』の始まり
日本にお茶がもたらされたのは奈良時代から平安時代と言われています。710年~1192年です。
平安初期に書かれた『日本後期』において記述されています。日本における最初の『喫茶』が記されています。平安初期といえば800年代前半です。この時代の『お茶』は大変貴重で高価なものであったようです。ですので口に出来たのは僧侶や貴族などの限られた人だけであったようです。
当時の先進国であった『唐(今の中国)』から制度や文化を学びに行っていた『遣唐使』や、今でいう海外留学である『留学僧(宗教を学ぶ・こちらも唐)』が帰国したさいに持ち込んだとされています。主な目的ではなく“添え物”としてでしょうか!?
2 『お茶』の発展
① お薬としての『お茶』
a.導入期を経て『お茶』は、お薬として飲まれるようになりました。
キーパーソンは平安時代末期から鎌倉時代初期を生きた『栄西(えいさい)』という禅僧です。
『栄西』は日本における臨済宗(天台密教)の開祖です。社会の時間で習った方も多いと思います。
『栄西』は『宗(今の中国)』(当時は唐ではなく宗に変わっていた)に2度、留学し宗教を学びました。
※諸説あるのですが最初に宗に留学した時、栄西は天台密教に没頭しました。
しかし、当時の宗では『禅宗』が繫栄しており、日本仏教の立て直しに活用する事を栄西は決意し学んだと主著にあるそうです。
栄西は禅院で飲茶が盛んに行われているのを見聞きしました。帰国後、栄西は『喫茶養生記』という日本初のお茶の専門書を記しました。その中で栄西は『お茶』がもつ効能を説いています。時の権力者であり将軍の源実朝(深酒のクセがある)にお薬としてお茶とこの書を献上しています。
② 社交の道具としての『お茶』~『闘茶』~
上記のように『お茶』は日本の禅寺で広まると同時に武士階級にも社交の道具として浸透していきました。鎌倉時代から少しあとの南北朝時代では『お茶』を飲み比べて産地をあてる『闘茶』が流行りました。
③ 日本文化『茶道(茶の湯)』での『お茶』
時は更に下り室町時代から安土桃山時代には村田珠光による『侘茶(わびちゃ)』、それを受け継ぐ武野紹鴎からの千利休といった茶人たちにより『茶道』における『お茶』の存在が確立されていきました。
3 『茶道』とは
湯を沸かし、茶を立て、茶を振る舞う行為
◎主客の一体感を旨とする。
◎茶道具の茶碗や茶室の床の間にかける掛け物など個々の美術品、茶事を進行する時間自体が総合芸術される。
◎現在では様々な流派があり、なかでも有名なのが三千家です。三千家とは『表千家』『裏千家』『武者小路千家』です。
4 『茶道』の始まり
『お茶』が広まった時に栄西は同時に『抹茶法』を伝えました。
『抹茶法』とは…茶葉を粉末状にし、お湯を注いで飲む喫茶方法の事です。
主に『茶の湯』は禅寺で座禅の習慣とともに始まったと言われています。
5 『茶道』の発展
※『茶道』と『茶の湯』と『茶事』
『茶の湯』とは…茶道の茶会や茶事を指します。
『茶道』とは…芸道。
『茶事』とは…茶会の前後を含めた長時間の行事。
室町時代に僧侶であった村田珠光が禅の精神性を取り入れて、小さく簡素な茶室と落ち着いた雰囲気の『侘茶』を始めました。
『侘び』とは…貧粗・不足の中に心の充足をみいだそうとする意識の事です。
その後、『侘茶』は武野紹鷗、千利休へと継がれ完成に至りました。 ※両人とも堺の町衆でした。
『町衆』とは…裕福な商工業者による大きな自治組織です。
『武野紹鴎』…戦国時代の堺の豪商です。武具商、皮革商です。そして、茶人でありました。
『千利休』のお茶の師匠。
『千利休』…戦国時代の商人。茶人です。そして『わび茶』の完成者。『茶聖』とも呼ばれています。今井宗久、津田宗及とともに茶の湯の天下三宗匠と呼ばれています。
この千利休に発した『利休七哲』や『三千家』などが現在の茶道の根本にあるのではないかと私は考えています。現在、様々な茶道の流派がありますが元をたどると『千利休』にいきつくと思っています。
『利休七哲』とは…千利休の高弟とされる七人の武将の事です。
その七人の内容は様々で、前田利長、蒲生氏郷、細川忠興、古田織部、牧村兵部、高山右近、芝山監物や瀬田掃部、織田有楽、荒木村重、千道安、有馬豊氏、金森長近などです。
6 まとめ
何事も由来を知る事で本質的な事が具体的に理解できると思います。
日本文化の一つ『茶道』。
“習い事”や“礼儀作法を学ぶもの”という概念が多いのではないかと思いますが
代々受け継がれてきた『茶道』の作法には日本人としてのアイデンティティがあるのかもしれません。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。